一.精米
契約田から届いた玄米を、自社の精米機で削ります。品目によって精米歩合は40%から65%。純米大吟醸の40%までは約60時間かけ、米の品温が上がらないよう回転を落として進めます。削った米は一か月以上、袋のまま蔵内で枯らします。

二.洗米・浸漬
精米した米を、井戸水で洗って糠を落とし、水を吸わせます。吸水率は酒質を左右するため、大吟醸用は10キロ単位の小分けにし、ストップウォッチで秒単位の浸漬を行います。その日の米の状態によって、前日と同じ秒数にはなりません。

三.蒸し
和釜と木製の甑(こしき)で、約60分かけて蒸し上げます。外硬内軟——外側は締まり、内側は柔らかい——という状態が目標です。蒸し上がった米は放冷機で冷まし、麹用、酒母用、掛米用に分けて運びます。
四.製麹
摂氏30度前後に保った麹室に蒸米を引き込み、種麹を振ります。麹蓋に盛り分けたあとは、二晩にわたり二時間おきに手を入れ、温度経過を調整します。出来上がった麹は、噛むと栗のような甘い香りがします。

五.酒母
麹・蒸米・水に酵母を加え、酵母を大量に育てます。速醸系で約14日、山廃で約30日。この段階で雑菌に負けると、その後の仕込みは立て直せません。酒母室は蔵でいちばん温度管理に神経を使う場所です。
六.仕込み(三段仕込み)
酒母に、初添・仲添・留添と三回に分けて麹・蒸米・水を加え、量を約十倍に増やしていきます。急に増やすと酵母が薄まって負けるため、段階を踏みます。留添のあと、醪は25日から35日かけて発酵し、毎日、温度と日本酒度を記録します。

七.上槽・滓引き・濾過
発酵を終えた醪を酒袋に詰め、槽で搾ります。搾りたての酒は白く濁っているため、タンクで数日置いて滓(おり)を沈め、上澄みを引きます。濾過は最小限にとどめ、活性炭を使わない商品もあります。

八.火入れ・貯蔵・瓶詰め
多くの商品は摂氏65度前後で二回の火入れを行い、雪室で貯蔵します。生酒は火入れをせず、冷蔵のまま出荷します。瓶詰めは受注に合わせて少量ずつ行い、瓶詰め日をラベルに記載しています。ここまでで、仕込みからおよそ半年から一年です。

