冬の木造蔵で、藍の仕事着の蔵人が蒸米を手でほぐす

雪が水になるまで、
待つ。

天保九年からの酒造り

蔵からのごあいさつ

天保九年から、南魚沼・雪見原の湧き水で酒を醸しています。

藤兵衛酒造は、新潟県南魚沼の谷あいにある小さな蔵です。年間の造りはおよそ900石。大きくすることを目指さず、蔵人九名の手が届く範囲で仕込みを組み立てています。ここは冬に二メートル以上の雪が積もる土地で、その雪がゆっくりと地面に沁み、巻機山系の地層をくぐって湧き出た水で酒を仕込みます。硬度の低い水は発酵をおだやかにし、時間はかかりますが、口に含んだときに角の立たない酒になります。私たちが「待つ」と言うのは、その水の時間に造りを合わせるという意味です。

雪に覆われた木造の蔵が並ぶ谷の朝

蔵の三つの柱

雪の積もった中庭の井戸と、汲み上げたばかりの水

水

敷地内の井戸から汲み上げる巻機山系の伏流水。硬度は約22mg/L の超軟水で、仕込みから割水まですべてこの水を使います。

山あいに広がる初夏の田

米

蔵から半径二キロの田で、六軒の契約農家が育てる五百万石と越淡麗。田植えと稲刈りには蔵人も入ります。

蔵の前に並ぶ藍の仕事着の蔵人たち

人

杜氏・戸倉慎次のもと、蔵人九名が精米から瓶詰めまでを担います。すべての仕込みタンクに担当者の名前を掲げています。

銘柄のご紹介

藤兵衛

蔵の名をそのまま継いだ定番銘柄「藤兵衛」は、本醸造から純米大吟醸まで五種類。冷やしても燗にしても崩れない、食事に寄り添う酒を目指しています。

雪筵

少量仕込みの「雪筵(ゆきむしろ)」は、契約田の区画ごとに米を分けて仕込む挑戦のラインで、年に三本だけ発売します。詳しくは銘柄一覧をご覧ください。

木の卓上に置いた「藤兵衛」の酒瓶
障子の光のもとで、器に酒を注ぐ

季節のお知らせ

「藤兵衛 特別純米 ひやおろし」を9月18日に蔵出しします。前年の冬に仕込み、雪室で一夏を越した一本です。直売所と取扱店で同日発売、数量に限りがあります。

蔵見学のご案内

11月中旬から3月上旬までは仕込みの最盛期のため、製造蔵内部の見学を休止し、資料蔵と雪室のみのご案内となります。

お知らせ一覧

雪の舞う軒先に吊るした青い杉玉

蔵をお訪ねください

蔵見学は通年で受け付けています(所要約45分・お一人1,000円・試飲三種つき・要予約)。直売所「雪見蔵」では、蔵でしか手に入らない量り売りの生原酒と、雪室で三年寝かせた熟成酒をご用意しています。関越自動車道の最寄りインターチェンジから車で約15分、駐車場は大型バス二台まで対応しています。

雪の夕暮れに明かりの灯る石蔵