
難しくありません
漆器は扱いが難しいと思われがちですが、実際に必要なことは三つだけです。ぬるま湯とやわらかいスポンジで洗うこと。洗ったらすぐに布で拭くこと。直射日光の当たる場所に置きっぱなしにしないこと。これだけです。毎日使ってかまいませんし、むしろ使ったほうが艶が育ちます。しまい込むほうが器にはよくありません。

洗いかた
ぬるま湯(およそ40度以下)に、中性洗剤を少量。やわらかいスポンジか手で洗ってください。食器用洗剤で問題ありません。金属たわし、研磨剤入りのスポンジ、粉末クレンザーは表面に傷をつけます。洗い終わったら水気を切り、乾いた木綿の布で拭いてください。自然乾燥のまま放置すると、水の跡が白く残ることがあります。長く漬け置きしないでください。

使えないもの
食器洗浄機、電子レンジ、オーブン、直火。いずれも使えません。食器洗浄機は高温と乾燥風で漆の膜が縮み、電子レンジは木地と塗膜の膨張差で割れます。熱い料理を盛ることは問題ありませんが、熱湯を直接注いで長時間置くことは避けてください。冷蔵庫での短時間の保存は可能です。

しまいかた
湿度が極端に低い場所と、直射日光を避けてください。暖房の吹き出し口の前、車内、南向きの窓辺は木地が乾きすぎて反りが出ます。長期間しまうときは、新聞紙ではなく柔らかい紙か布で包み、箱に入れて押し入れなど温度変化の少ない場所へ。防虫剤と一緒に密閉すると匂いが移ることがあります。
海外にお持ちになる場合、乾燥した気候の地域(内陸部・暖房の効いた冬季の住宅)では、日本より木地が乾きます。数か月に一度、水を通して使っていただくのがいちばんの手入れです。
変化について
使い始めて数か月で、手が触れる場所から艶が出てきます。黒はより深く、朱は明るく澄んでいきます。細かい擦り傷は日常的につくもので、多くは使ううちに馴染んで見えなくなります。気になるほどの傷や、縁の塗膜が薄くなってきたと感じたら、お直しの時期です。目安として、毎日使う椀で十年前後。詳しくは「お直し」のページをご覧ください。
よくあるご質問
漆にアレルギーはありますか — 完全に硬化した漆の膜でかぶれることはほとんどありません。ただし過去に漆や関連する樹木でかぶれた経験のある方は、事前にご相談ください。
匂いはありますか — 新しい器はわずかに漆の匂いがあります。時間とともに薄れます。風通しのよい日陰に置き、気になる場合は工房へご相談ください。匂い対策でも長時間の漬け置きはしないでください。
飛行機で運べますか — 機内持ち込み・預け入れとも問題ありません。ただし気圧と乾燥のため、緩衝材で包み、木箱のままお持ちいただくことをおすすめします。
