お直しのために漆椀の表面を確かめる手

お直し

傷みを確かめ、器に合う修理を考える
傷みを確かめ、器に合う修理を考える

壊れても終わりではありません

漆の器は、直せます。塗膜が擦り減れば塗り直せば新品同様に戻り、割れたり欠けたりしても、漆で継いで金を置けば使いつづけられます。この工房では2004年から修理専任の職人を置き、自社製かどうかを問わず器をお預かりしています。お祖母さまから受け継いだ、どこの産地か分からない椀でもかまいません。

使い込まれた器を、もう一度食卓へ
使い込まれた器を、もう一度食卓へ

塗り直し

いちばん多いご依頼です。縁の塗膜が薄くなった、内側に細かい傷が増えた、色がくすんできた。器を分解することなく、古い塗膜を研いで整え、中塗りから塗り直します。直径12センチ程度までの椀で、手塗りの塗り直しがひとつ4,000円から8,000円ほど、拭漆の仕上げであれば2,000円から3,500円ほどが目安です。器の状態を見てからお見積りをお出しします。

表面を整え、漆を塗り重ねて仕上げ直す
表面を整え、漆を塗り重ねて仕上げ直す

欠け・割れ・金継ぎ

縁が欠けた、落として割れた、という場合は継ぎの仕事になります。破損箇所のみの補修であれば、塗膜の剥離が一箇所3,000円ほどから、欠けや割れが一箇所4,000円ほどから。金を置く金継ぎは、割れの長さや欠けの面積によって加算していく計算です。小さな欠けひとつであれば数千円、複数箇所に及ぶ割れでは数万円になることもあります。

継いだ跡は隠しません。金の線がそこに残ります。それを傷と見るか景色と見るかはお客さま次第ですが、私たちは後者だと思っています。

欠けた部分を埋め、割れをつなぐ
欠けた部分を埋め、割れをつなぐ

期間

漆は塗るたびに乾燥を待たなければならないため、修理にも時間がかかります。塗り直しでおよそ二か月から三か月、金継ぎで一か月から二か月。冬場は湿度が低く硬化が遅れるため、さらに一か月ほど余分にいただくことがあります。お急ぎの事情がある場合はご相談ください。

工程と乾燥を重ねる修理の時間
工程と乾燥を重ねる修理の時間

お預かりの流れ

まず、器の全体と傷んだ箇所の写真をメールでお送りください。おおよその見積りと期間をご返信します。ご了解いただけましたら器をお送りいただき、実物を見たうえで正式なお見積りをお出しします。この段階でお断りいただいても、返送の送料以外は頂戴しません。仕上がりましたら写真をお送りし、ご確認のうえ発送します。お支払いは仕上がり後です。

海外からのお直し

海外にお住まいの方からも修理をお受けしています。日本への発送時は「修理のための一時輸入品」として書類を作成いただく必要があり、書式の見本をこちらからお送りします。往復の送料と各国の関税はお客さまのご負担です。輸送のリスクがあるため、まずは写真をお送りいただき、送るだけの価値がある修理かどうかを含めてご相談させてください。現地での応急処置で足りる場合は、その方法をお伝えします。