
設計は、間取りを描く前から始まります
初回の打ち合わせで間取りの希望をうかがうと、多くの方が「4LDKで、対面キッチンで、書斎が欲しい」という形でお話しくださいます。
それは要望ですが、まだ設計の材料にはなりません。
私たちが聞きたいのは、その一段手前です。
平日の朝、家族が何時にどの順番で起きて、どこで何分過ごすのか。
洗濯物を干す場所から畳む場所まで何歩あると許せるのか。
十年後に子ども部屋が空いたとき、その部屋をどうしたいか。
ここまで具体化して初めて、部屋数ではなく動線で間取りを決められます。
設計申込の段階から平均11回、約5か月をかけて設計を固めます。
初回相談から設計申込までの資金計画・敷地確認は別の準備期間です。
長いと感じられるかもしれませんが、この期間に決めきったことは、着工後に迷わずに済みます。

耐震:等級3を、計算した数字として
当社は全棟で許容応力度計算による構造計算を行い、耐震等級3を標準としています。
耐震等級3は、消防署や警察署など災害時の拠点に求められる水準で、建築基準法が定める最低基準(等級1)の1.5倍の強度にあたります。
地震保険料が50%割引になるのもこの等級です。
ここで一点だけ、正直にお伝えしておきたいことがあります。
木造2階建ての住宅は、簡易な壁量計算だけでも「等級3相当」と表示できてしまう場合があります。
当社が行っているのは、柱や梁の1本ずつに実際にかかる力を計算する許容応力度計算のほうです。
計算書は製本してお引き渡し時にお渡しし、打ち合わせの途中でもご要望があればいつでもお見せします。

断熱と気密:数値と、その数値が意味する暮らし
断熱等性能等級6を標準とし、6地域のUA値0.46以下に加え、日射遮蔽や結露防止等の基準も確認します。
断熱性能を高めることで冬の室温低下を抑え、冷暖房の負荷を減らすことを目指します。
実際の室温と費用は、外気温、間取り、日射、設備、使い方等で変わります。
提案時は計算の条件も説明します。
気密は全棟で測定し、C値0.5以下を基準とします。
基準を満たさない場合も測定結果をそのまま報告し、原因と対処を説明します。

素材:木は、近くのものを使います
構造材には埼玉県産と近県産の杉・桧を使用しています。
産地が近いことに特別な性能上の意味はありませんが、乾燥状態と含水率を自分たちの目で確認したうえで仕入れられること、そして製材所と直接やり取りができることに意味があります。
内装は、無垢のフローリングと、珪藻土または漆喰の塗り壁を標準としています。
無垢材は年月とともに色が濃くなり、傷も付きます。
この点はご契約前に必ずお伝えしています。
傷が付かない床がよいというご希望であれば、無理に無垢をおすすめすることはしません。

造作:自社の作業場があるということ
本社の隣に自社の作業場を持ち、建具と造作家具をここで製作しています。
初代が建具の造作から始めた会社なので、この設備だけは規模の割に手厚く残してきました。
既製品のサイズに間取りを合わせる必要がないので、階段下の3センチの隙間まで使い切る収納や、天井高いっぱいの本棚、洗面台の高さをご夫婦の身長に合わせて2種類作る、といった対応が、外注するより抑えた費用でできます。
私たちがしないこと
- 等級や仕様を下げて金額を合わせるご提案
- 工期短縮のための、乾燥が不十分な材の使用
- 打ち合わせの場でその日のうちに契約をお願いすること
- 現場管理を含めて工事一式を下請けに委ねること
年間12棟という上限を設けているのは、これらをしないまま経営を成り立たせるための線引きです。
ご相談の時期によっては、着工が半年以上先になる旨をお伝えする場合があります。

